江ノ島で本当に行きたいおすすめスポット

いつもお世話になっております。

私の地元は神奈川。大学も湘南台まで通っていたこともあり、江ノ島へは時々遊びに行っていました。しかし灯台下暗しと言いますか、いつでも行けると思っているとなかなか有名どころのお店には行かないものでして。今回ソロサーフィン合宿をしてみて初めて江ノ島観光とやらをしてみました。

ガイドブックなんかを見て色々行ってみると、やっぱりいいな!と思った場所もあれば、うん…?と思ったところも結構ありました。

そこで今回は俺的江ノ島(駅周辺)観光スポットを独断と偏見でご紹介します。行って後悔はさせないぜ!

俺的江ノ島観光スポット

まず、江ノ島といってもエリアは大きく4つに分けられます。

  1. 小田急線片瀬江ノ島駅を降りて右側、江ノ島本島の西側の片瀬西浜ビーチエリア
  2. 橋を渡った江ノ島本島
  3. 江ノ電江ノ島駅を降りて左側、江の島本島に向かう川沿い
  4. 鎌倉市と隣接している腰越海岸エリア

それぞれに良いところがあるのですが、土日混雑するのは主に上の1〜3のエリアですね。みんなが観光している場所や、賑やかな雰囲気が好きな方は1、2を中心に周るのが良いです。逆に、ちょっと穴場を巡りたい!という方は3のエリアを攻めてみると、道中も比較的落ち着いてますし、穴場〜な店も見つけやすいです。

江ノ島本島の西側の片瀬西浜ビーチエリアでおすすめのスポット

このエリアは正直私がおすすめするべくもなく、ガイドブックに素敵なおすすめがたくさん載っています。このエリアを攻めるなら…

新江ノ島水族館

https://youtu.be/scJPy4Tji-U

クラゲの展示室で寝泊まりができるなど、面白い企画をよく考えておられる新江ノ島水族館。略してえのすい。新とついているだけあって、2003年に江の島水族館が閉館されてから、2004年に新しく生まれ変わりました…って書いていて10年近く前なのだなと気づき今戦慄しています。もう生まれ変わりました!とかようよう言えませんね。

休日は家族連れも多く、賑やかな雰囲気が楽しめます。ちょっと早めの時間帯に行って、2時間くらい見て回ったらランチして、海岸を散歩なんかしちゃったりして、夕方には江ノ島本島で夕焼けを…みたいなコースがよろしいのではないでしょうか。

コロナ禍により入場は完全予約制になっているようですので、訪れる際は事前に新江ノ島水族館公式サイトをチェックしておきましょう。

https://www.enosui.com/

  • 入場料:大人2,500円
  • 開館:9:00〜17:00 (最終入場16:00)
    ※開館時間は時期により異なります。詳しくは公式サイトをチェック!
  • アクセス:片瀬江ノ島駅から徒歩3分

 

サーフィン

江ノ島
お店からの景色

江ノ島に来るなら一度はやってみましょうぞ!江ノ島近辺をプラついていると、サーフショップは至る所にあります。基本的にどのお店にお願いしても皆さん優しく教えてくれますが、私がご贔屓にさせていただいているのはSTAY SEAサーフィンスクール。プロサーファーの綿貫直也さんが2019年から運営されているサーフィンスクールで、ビーチも目の前!アクセスが良いのが特徴です。

ショップの下にはカフェも併設されていたりと、サーフィン後の一杯やご飯も楽しめる充実ぶり。

スクールは1回6,600円から。3回券は16,500円、5回券は26,400円と、チケットを買うとお得に利用できます。回数券は友人と分けてもOKなので、この内何回かを誰かとシェアするのも良いですね!

詳しい料金表はこちら

4月くらいからはもう、ウェットスーツを着れば思っていたより全然寒くなくサーフィンを楽しめます。朝からサーフィンを楽しんで、江ノ島で食べるご飯は格別ですよ!

江ノ島小屋

漁師汁定食

朝強い人にはぜひとも行っていただきたいのがこちら。江ノ島小屋です。江ノ島近辺ではモーニングのあるお店が少ないのですが、ここは朝8:00から営業しています。シーズンには1時間もの待ち時間になることも…!

正直私は行列に並ぶのがあまり得意ではないのですが、ここの朝食は並ぶ価値のあるお店だとはっきり言えます。絶対食べて欲しいのは漁師汁定食。「魚を骨ごと煮込んだ濃厚スープ」ってもうその言葉だけでご飯3杯いけるんちゃいますの…?

朝食メニュー
金目鯛の煮汁卵かけご飯も捨てがたい…

朝ごはん以外のメニューでは、魚のたたきを味噌で味付けしたなめろうに秘伝のゴマたれをかけた「名物まかない丼」が有名です。くう〜説明だけでよだれ出てくるわい!

 

江ノ島本島エリアのおすすめスポット

江ノ島本島にも、カフェやごはん屋さんなどがたくさんあります。有名なのはやはり「とびっちょ」というお店ですが、正直この辺りのお店はどこも美味しいですし、大体しらす出してますし…という感じで、プラプラ周りながら良さげなお店に飛び込むのがいいんじゃないかなあと個人的には思います。

江ノ島神社

江ノ島神社

江ノ島駅から海岸沿いに長い橋を渡ると正面に見えてくるのが江ノ島神社。江ノ島神社に行くまでにも江ノ島アイランドスパや各種売店などが並んでおり、休日は多くの人で賑わいます。

階段を上がり道なりに進むと、各所には定食屋さんやカフェもちらほら…。トイレも随所にあるので、長い散歩にも困りません。

ランナーなら、朝ランニングしながら江ノ島本島を観光するのも一興。起伏があってなかなか厳しいコースですが、色々なところを一気に見て周りながら気になったところをチェックしておき、後からゆっくり観光すると時間の短縮にもなります。私の旅行は基本このスタイルです。

数年前には江ノ島アイランドスパにも訪れましたが、夏場はプールも楽しめてカップルにはなかなか良い施設でしたよ。ワンデイスパ(プール+温泉)で料金3,000円なのも良心的!

江ノ島アイランドスパ
出典:江ノ島アイランドスパ

日曜日は子どもNGなので、大人だけでゆっくりしたい…!という方にもおすすめです。

江の島本島に向かう川沿いのおすすめスポット

江ノ電の江ノ島駅改札を出て左手、江ノ島本島までの川沿いにも、江ノ島ならではのお店がいくつかあります。私のおすすめはこの2つ。

L&LハワイアンBBQ

ハワイアンBBQ
出典:Googleマップ

ハワイ発のL&LハワイアンBBQ。いわゆる「ハワイアンBBQ」を出すお店で、リーズナブルにお肉とご飯をいただけます。海に入った後や潮風に当たった後のハワイアンBBQの美味しいこと美味しいこと…。

晴れていたらテイクアウトして海辺で食べるのも最高です。

お店にはWi-Fi、電源も完備されているため、ちょっとした作業を行いたい時にも便利ですよ。

DIEGO BY THE RIVER

ハンバーガー
出典:公式サイト

店名にもある通り、川沿いに位置するのがこのDIEGO BY THE RIVER。シグネチャーはなんといってもこのぷっくりとしてプリティーな見た目のアボカドチーズバーガーです。

ここ江ノ島にはハンバーガーを出しているお店がすこぶる多く、至る所で様々なハンバーガーを食べられるのですが、私はこの店のハンバーガー推しです。ぷっくりしたバンズとジューシーなパティ、食べ応えのあるピクルスはDIEGO BY THE RIVERならでは!

テラス席

晴れた日にはテラス席での食事も楽しめます。

鎌倉市と隣接している腰越海岸エリアのおすすめスポット

私がどこよりもおすすめしたい江ノ島のスポットはこちら、腰越海岸エリアです。どういうわけか人が他のエリアよりも少なく、穴場スポット。少し歩けば珊瑚礁など、有名なお店も近くにあります。そんな腰越エリアの中でも特におすすめしたいのが、以下の2つです。

腰越漁協直営店

腰越漁業直営店

腰越漁港で、朝獲れた魚をフライにして販売しているお店です。ふわふわのアジフライから、脂のったサバフライ、サバコロッケ…メニューや価格はその日の入荷によって異なりますが、朝どれのスーパーフレッシュな魚の美味しさたるや!

一番人気はアジだそうですが、私が訪れた際にはサバのみだったため、サバのフライとサバコロッケをオーダー。

サバフライ
うまくて目ん玉飛び出そう

揚げ物だけなのでご飯、飲み物(ビール)は持ち込みできます。しっかり持ち込みましょう。笑

営業時間は13時〜17時と限られているため、訪れる際は時間に余裕を持って行ってください!

 

HOME taco bar

タコス

アメリカ人の友達を連れて行ったら、「日本で食べたタコスの中で一番だ!」と言わせしめたのがこの店、 HOME taco bar。サンフランシスコで出会った3人が始めたお店で、アメリカン〜なタコスが食べられます。

タコスならメキシカンじゃないのかよ!というお声もありましょうが、お味はどちらかというとTEXMEX寄りなのではないかなと個人的には思います。そのせいか、お店にはアメリカン〜な方も多いようでした。皆さん故郷の味が恋しいんですね。

私のおすすめはここのチミチャンガ!

チミチャンガ

チミチャンガとは、豆やライス、肉、サワークリームなどを入れたブリトーに追いカロリーを揚げて、ソースをぶっかけたもの。写真ではタルタルっぽいですが、本番はもっと液体なソースがビシャっとかかっています。ちなみにこのチミチャンガ、日本で食べられるところは本当にレアです。私もまさか湘南で食べられるとは思いませんでした。嬉しい〜美味しい〜

おわりに

すみません、なんかおすすめスポット紹介しようと思ったんですけど、本当に厳選したら紹介できるところは案外少なかったです。江ノ島まで来てしまったら正直どこに行っても楽しめると思うのですが、敢えて私が友達を連れて行くならここだな〜というおすすめスポットをご紹介しました。

小さなお子様連れやカップル、あるいは車で行くのであればまた異なったチョイスがありますよね。遊びに行くのは下調べも含めて楽しいものですので、ぜひ色々調べてみて、素敵な休日を過ごしてください。

 

厚揚げと大根の炒め煮

日が一番長い夏至の頃は大抵梅雨時で、したがって夏至のその当日に晴れていた記憶が生まれてこのかた一度もない。

 

とは言え人の記憶は曖昧なもので、たとえ記憶になくとも晴れていた可能性は存分にある訳だ、どれ調べてみよう……と、インターネットの大海に船を出した矢先、目指していたものとは別のお宝を発見し、それに満足したため、我が海賊団は早々に解散することとなった。

 

そのお宝とは、なぜ夏至は一年で一番日が長いのに一番暑くならないのか、という問いとその答えである。

なるほど、確かに火力が最大であってもフライパンの温度が最大であるとは限らない。火を止めた後の加熱まで考えなければ、意図に反して野菜がくたくたになったり、肉がパサパサになったりするのである。

 

と、言う訳で今日はフライパンで作る簡単なレシピを紹介する。 時短・簡単・酒に合う、と三拍子揃った、つまみにもおかずにも最適な炒め煮である。

 

用意するのは、厚揚げ・大根・鶏肉・生姜。

 

食材に関しては、野菜室のご機嫌次第で適当にまかなえばよろしい。

生姜以外の具材を一口大に切り、大根はひたひたに水を入れたドンブリにラップをして電子レンジで10分。

油をひいたフライパンで鶏肉を炒め、ついで厚揚げ・大根を加える。 この時、電子レンジで加熱したときの湯もおたま一杯くらい加える。

気分の味になるよう砂糖・醤油を加え、汁気がなくなるまで炒める。
仕上げに生姜をすり入れて完成だ。

 

我が家では醤油の代わりにだしつゆを使うのがならわしだが、この時ばかりは醤油を使うのが良い。 だしつゆだとかえってまずくなる、とは、母。

 

日曜の昼間から飲む酒の肴には小松菜とお揚げの胡麻和え。 小松菜を茹でて、揚げ・すりごまと和えるのだが、こちらにはだしつゆを合わせるのが良い。 味の濃いものは夜に食べたいものだ。

 

芋焼酎には生姜味が合うような気がする。

 

ああ、過ごしやすい夜の、風通しの良い縁側がこうも恋しい。
こんなものはこんな雨の日に食べるものではないのだ。 この国はどうしてこうもじっとりしているのだろうか。

黄金のペペロンチーノオイル

ペペロンチーノオイル無くして美味しいペペロンチーノは作れない。

というのは私の強迫観念だが、ペペロンチーノオイルさえあれば、ふとしたときに、何の準備もなく美味しいペペロンチーノを作ることができる。 言ってしまえば常備食だ。 今日はこれを紹介したい。

 

そもそもペペロンチーノとは、イタリア語の「peperoncino」。つまるところ、唐辛子である。

唐辛子と一口にいっても、いろいろな唐辛子がある。オーソドックスな唐辛子に、小ぶりでピリっとした辛さの島唐辛子、青臭さの残る青唐辛子、また、十年ほど前から人口に膾炙するようになったハバネロなどなど。

 

乾燥してあるものも使い勝手は良いのだが、唐辛子そのものの旨味、という点においてはやはり生の美味しさには劣る。

 

横浜に韓国の家庭料理を出す店があるのだが、そこでは各テーブルに、大きい青唐辛子がまるまる入ったしょうゆ漬が置いてある。 つまみを食べてはその青唐辛子の漬物をかじり、マッコリを一口。 辛さを和らがせる、酸味の効いたクリーミーなマッコリは、壺からたちまち姿を消す。

 

唐辛子も大振りなものだと辛味と旨味のバランスがよく、それだけでも十分、野菜としてのつまみになるものだ。

 

これは私の印象でしかないのだが、日本本州には唐辛子の文化があまり無い。スーパーの生鮮食売り場でも、唐辛子はせいぜい一種類置いてあるのが関の山だ。

 

私の一年間暮らしていたフィリピンのセブ島では、必ずと言ってもいい程、食事に島唐辛子のような小さな唐辛子が添えられた。 スーパーには唐辛子入りビネガーが安価で大量に売られていたものだ。

 

隣国の韓国にしても、ご存知の通り、料理には唐辛子がふんだんに使われる。 私と同居していた韓国人の女性は乾燥した唐辛子みじんを大きいビニール袋いっぱいに持っており、その見ているだけで口の周りも中も、尻の穴まで痛くなりそうな(失礼)唐辛子を何のためらいもなくさらさらと料理に入れていた。

辛さだけを楽しんでいるのかと思いきや、その辛さの中にはきちんと旨味があり、煮干しやチキンのスープとうまくタッグを組んでいる。

 

とは言え、一週間前におすそ分けとしてもらった三養の炒め麺(まじでやばいので購入する方は自己責任で)は涙が出るほど辛く、文字通り泣きながら食べた。

旨味はあるのだが、なかなかどうしてあそこまで行くと、なぜこのような想いまでして食べているのかと泣けてくる。 というより既に泣いている。

 

それはそうと、ペペロンチーノオイルである。
これ以上脱線しないためにも、さっそく作り方に取り掛かろう。

 

用意するのは、オリーブオイルと唐辛子。 これのみ。

 

スーパーで買ってきた生の唐辛子を、軽く拭いてごみを取る。 唐辛子に楊枝で穴を開けたら、それをオイルに突っ込んでいけば良い。

生の唐辛子は辛味が油に移りやすく、また風味も良い。 こうしたオイル漬けにするのだったら、島唐辛子のような小ぶりな唐辛子が辛味も強く、適している。

 

乾燥の唐辛子を使うなら、みじんタイプのものが良い。 この場合、使った唐辛子は漉してもいいし、入れたままでも良い。

 

これはオイルが真っ赤になるので透明の瓶がよく映えるのだが、聞くところによるとオリーブオイルは暗所で保存した方が良いらしい。 光に当たると光酸化してしまうというのだ。世に出ているオリーブオイル容器が色つきであるのも、そうした理由かららしい。

 

さてこのペペロンチーノオイル、早くて二日や三日で使い物になる。 日を置く程に辛くて美味しいペペロンチーノオイルになる。 辛みが飛ぶという説もある。

 

ガーリックとパセリで炒め和えたパスタに一振りするだけでガツンとした辛さのペペロンチーノになる。 また、ラタトゥイユやピザにも合う。

 

このペペロンチーノオイルの良いところは、タバスコのように料理の味をまるきり変えてしまわないところにある。

タバスコの入ったトマトソースは「タバスコトマトソース」になるし、タバスコの入ったミートソースは「ミートソースタバスコ風味」になる。料理名になり得る存在感だ。

うっかり人の作った料理にボカスカと入れようものなら、もとの料理をまずいと言っているようなものだ。

 

一方、ペペロンチーノオイルは訳が違う。 料理の味を損なうことなく、辛味を加えることができる。 また、経年によって移り変わる味を楽しむこともできる。 まるで人生のようではないか。

 

肉と冬瓜のスープ

外で飲むビールはなぜあれほどにも美味いのか。

その謎に迫るべく、外で飲むビールの効能や、それに伴う経済効果を研究をしている大学がある……かどうかは知らないが、これは私が今学生ならば是非とも研究したいテーマの一つである。

 

ビアフェスタにビアガーデン、お祭りの屋台や海の家。 世にはあまた多くの外飲み施設があるが、そのどれも、然るべき時期に飲めば大抵の出来事は素晴らしい思い出になる。

とは言え、家で飲むのも悪くないものだ。 窓を複数空け風通しを良くしたら、キンキンに冷えた缶ビールを空け、つまみをつつく。 胃が落ち着いたら、冬瓜のスープをすする。

 

庶民の幸せはこのようにして守られるのである。

 

さてこの冬瓜、冬とは名ばかりの夏野菜である。 そのさわやかな香りと使い勝手の良さで、冷汁やサラダにしてもいただける、夏の万能野菜だ。

 

冬瓜、豚肉か鶏肉、例によってだしつゆ(昆布)、酒などを用意しよう。 冬瓜はわたを取り、皮をむいて一口大に切り分けておく。

 

根菜類は水から煮込むのがならわしだが、この冬瓜も水から煮込む。 沸騰したら肉とだし、酒を加えて火が通ったら一旦火を消す。

これはスープもよく味わえるものだから、水はたっぷり入れて薄味にしておこう。

 

一度冷めると冬瓜が出汁を吸って、冷たくして食べてもすこぶる旨い。 豚を使うと脂の舌触りが悪くなってしまうため、冷たくして食べるなら鶏、温かくして食べるなら豚、というように使い分けるといいだろう。

 

話は冬瓜と逸れるが、夏の初め、田舎の祖母の家の縁側で飲んだ酒。 あれはうまかった。 ベランダでも、庭でもない、縁側。

蚊取り線香の匂いが入り混じる黒霧島の湯割りは、何とも形容しがたい季節のノスタルジーを感じさせた。 ロマンティックと言ってもいいかもしれない。

あの酒を飲むためだけに将来は縁側のある家に住みたいくらいだ。

いや、住むべきなのだ。

 

人はパンのみに生くるにはあらず。 酒のみに生くるのだ。

 

このところ外食が続いてしまい、何か胃に優しいものを……などと冬瓜のスープをすすりながら、その美味しさに感動し、結局はビールを空ける。

 

歴史は繰り返すし、人は学ばないのである。

 

肉豆腐

先日、久しぶりに実家へ帰った。 母の日ということで男性陣を家に残し、母と二人で映画を観、カオマンガイを食べ、銭湯で風呂に入り帰路に着いたは良いものの、待ち受けているのは晩飯の支度である。

 

簡単な料理の代名詞として人口に膾炙しているのはカレーや野菜炒めだが、私は是非ともそこにポトフと肉豆腐も加えたい。

 

やれ玉ねぎを飴色に炒めるなど、不要!

 

とにかく冷蔵庫に肉と豆腐があればそれで結構。 肉は大抵干からびたものが冷凍庫に入っているし、豆腐と納豆はなぜかいつも冷蔵庫の中程に鎮座しておられる。 納豆は使わないが。

切って、煮るだけ。 こんなに簡単で、なおかつ落ち着く飯が他にあるだろうか? また、これは初心者にも至極作りやすい料理である。 というのも、野菜炒めは何だかんだ美味しく作るのが難しいのだ。

 

檀一雄の『檀流クッキング』を読んでいると、中華を作る場面に度々遭遇する。 この本は料理エッセイの中でもかなり示唆に富むものだが、この本に出てくる炒めはとにかく、

  • にんにくと生姜、ネギをみじん切りにし
  • 油に香りを写し
  • 強火で一気に炒める

というのがお決まりのような気がする。 気がする、というのは、この本を誰かに貸したまま随分な歳月が経っており今私の手元にないということなのだが、真偽の如何を確かめたい方はとにかく読んでみることをすすめする。 その時間は無駄にはなるまい。

 

さて、とにかく野菜炒めは案外難しいのである。 その点、肉豆腐は煮詰めるだけ。 ズボラで料理も好かない輩にとっては豚キムチ炒めよりも、カレーよりもレギューラー入りする確率が高いであろう。

 

豆腐、だしつゆ(我が家ではにんべん)、豚肉、長ネギを用意する。

 

豚肉は今回豚バラを使ったが、何でもよい。 なんならひき肉でも牛肉でも良い。 ひき肉を使うなら、後から片栗粉でとろみでも何でもつければ事足りるのである。

 

フライパンに水と出汁を入れ温める。 沸騰したら具材を入れ、酒と砂糖を好みの分量入れる。 ご飯のおかずなら少ししょっぱく。 焼酎のアテなら薄味に。 肉とネギに火が通れば完成だ。

 

書いていて気がついたのだが、これは具材の足りないすき焼きだ。 ならば卵も合うに違いない。 次に作る時は最後に生卵を落として食べることとしよう。

 

すき焼きは好きなものを入れて食べるのだから、その日の気分に合わせていろいろ試して欲しい。 となると、私は今日、肉豆腐ではなくすき焼きの作り方を書いたということになるのだろうか。

そば粉のガレット

レシピに、マジョラム、八角、 サワークリーム……といった名前を見かけるとみるみる創作意欲がしぼんでいくのと同様に、そば粉もそうした現象を引き起こさせる食材の一つではないだろうか。

まず、そばを作る以外にそば粉を使うシーンなど、「そばがき」くらいしか思い浮かばない。
そのそばがきでさえも、最近は食卓に上っているところをとんと見ないし、あえて作ろうとしない限り、なかなか手が出せない料理なのではないだろうか。
(とは言え、個人的にはそばがき汁粉が何にも代え難い美味しさをはらんでいると思う。)

そうしたことを鑑みた上で、それでもやはり私が今日紹介したいと思っているのが、そば粉のガレットだ。ガレットとは、そば粉の入ったクレープ生地の上に、チーズやハム、マッシュルームなどの好きな具材を乗せたフランスの郷土料理(?)である。

私の友人の一人に、笹塚に住むフランス人のクリエイターがいる。
フランス人の関心ごとといえば、バカンス・本・食事ばかりだ。もちろんこれは偏見だ。
それでも、彼らが今上げたものについて日本人の大多数よりも関心の強い人が多いということは事実ではなかろうか。

まあそんなことは統計でも取らない限りわからないことだし、ましてや統計を取ったところでどうなるということでもない。何にせよ、私は食事がすきなフランス人に、料理をするかどうかを聞いてみたのだ。

「フランスで一人暮らしをしていた時は結構していたかな。物価が高いからね。何を作っていたかな。ガレットと、ハンバーガーと……サンドイッチとかかな」

そこで私はハンバーガーとサンドイッチを料理と呼ぶということに日本とフランスの文化の隔たりを大きく感じた訳だが(もちろんどちらも料理に違いはないのだが、料理の代表として挙げられるとなかなかどうして新鮮に感じるのが日本人ではないだろうか?)、そうか、フランス人男性が一人暮らしをした時に作る代表料理はガレットなのか、という学びを得た。少なくとも彼に関しては。

日本でいうとガレットは何にあたるだろう?
カレーライスや豚キムチ丼だろうか。ガレットという主食?の上におかずを乗せている体裁を取っていることを考えると、「◯◯丼」全てが当てはまると言えるかもしれない。

作り方は簡単。まず、メインのそば粉とハム、チーズ、卵を用意する。好みで、トマトやきのこを入れても良い。
手の平ひとつかみほどのそば粉に塩をふたつまみを振り入れ、水で溶く。クレープの生地くらいさらさらになればちょうど良いだろう。
弱火で油を薄くひいたフライパンに生地を流し入れ、薄く、大きく大きく、広げる。この時大事なのは火加減などではない。テフロン加工が落ちていないフライパンを使うことだ。テフロンでないフライパンを使うなら、油を引いて、熱々にしたフライパンを使えば良いのだが、初心者には慣れるまで扱いが難しい。

そこで初心者にはとにかくテフロン加工のフライパンを使ってもらいたいところなのだが、このテフロン、経年とともに剥がれてしまう。人間なら経年とともに良い部分も増えるというものだが、テフロンフライパンにおいてはそれは言えない。
経年劣化したフライパンでガレットを作ろうものなら、出来上がったものはガレットと似ても似つかないものになること請け合いである。(それも人生だ)(私は一体何を言っているんだ)

閑話休題。酒の肴ではなく食事を作りたい人はとにかくテフロンフライパンを使ってもらうこととして、生地が固まり始めたら裏返す。そこに卵、チーズ、ハムなどの食材を乗せ、蓋をして弱火で焼き、卵が好みの硬さになれば蓋を取り、ガレットをフライパンから皿にスライドさせる。

外側を4辺折り混み、四角い形に成形するのが特徴的な盛り付けらしい。
フランス人の彼に言わせれば、食べ方は個人の好きなように!とのことなので、盛り付けも個人の裁量に依るものとしたい。

たったこれだけ。なぜガレットがこんなに簡単なのかというと、ひとえに生で食えるものを事前に加熱(加工)することなく乗せられるからだろうと個人的には考えている。
生で食べれないきのこ類や、豚肉を使う場合は最初に炒めておいて、生地に乗せるのが良いだろう。

最初にも述べたように、そば粉は日本人にとってそばに使う以外に馴染みのないものであることは百も承知だ。それでも私がガレットを勧めるのは、ひとえに私がそば粉を愛しているからである。

そば粉は小麦粉などと同じように、とりあえずストックしておけるものだし、イオンなどにも案外こじんまりと売っている。小麦粉で作るより味に奥行きがあるし、何よりおしゃれで料理が楽しくなる。(インスタ映えもするかもしれない)

料理好きのみなさんだけでなく、料理がめんどくさいズボラ諸君にも楽な料理だと太鼓判を押しておすすめしたい料理だ。

 

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お家で作るとうまく広げられない傾向にある